公開日:2017/10/20
いまやヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアなど、世界28ヵ国に出店するホームファニッシングカンパニーのイケアですが、創業当時はペンや釣り道具まであらゆる商品を扱う通信販売会社として、1943年にスウェーデンでスタートしました。
以後、紆余曲折はあったものの、1956年から家具の自社デザインをスタートします。そのなかで梱包や配送の方法を模索し、組み立て家具を製造・販売するという、フラットパックを使った現在のスタイルを確立していきました。いまでは「優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング製品を幅広く取りそろえ、より多くの方々にご購入いただけるようできる限り手ごろな価格でご提供する」ことをビジネス理念に、世界中にそのブランド名が浸透しています。
国内では、1号店となるIKEA Tokyo-Bayが2006年にオープン。続いて、2008年にかけて関東、関西方面に出店し、2017年10月11日には東海地方初となるIKEA長久手をオープンさせ、現在は9店舗にまで拡大しました。今回取材にお邪魔したIKEA新三郷は、2008年11月にオープン。「サステナビリティ」「コワーカー」「ダイバーシティ」といった、イケアで働く上での基本となる独自の価値観が本国スウェーデンと同じように共有され、大切にされていることがうかがえました。
広大なフロア面積をもつイケアの特色は、なんといっても実際に自社の製品を使ってつくられた、季節ごとのディスプレイと体験型ショールーム。ディスプレイやレイアウトは、商品の入れ替えや季節に応じて展示替えがあり、ストア内のビジュアルマーチャンダイザー(VMD)、インテリアデザイナーの手により、地域性やトレンドを活かした空間づくりが行われています。
イケアのある新三郷周辺はファミリー層が多く、都心に比べてマンションも広め。「ホームビジット」といって、実際に地域の方々の住まいを拝見し、住宅の規模感、家族構成、インテリアに対する悩みなどを綿密にリサーチした上で、地域のカラーや悩みに対する解決法を反映させたストアづくりを行なっています。
2年前からIKEA新三郷のコミュニケーション&インテリアデザイン部でマネジャーを務める三好菜央さんは、次のように話します。
「ショールームや店舗内のディスプレイは各店舗に一任されています。インテリアデザイナー、VMDが販売部門と相談を重ね、商品のセレクトから空間のレイアウトまで行ないます。自分でもやってみたくなるようなホームファニッシングアイデアで室内での生活が楽しく、快適になる空間づくりが提供できればと思っています。クリエイティビティを活かし、プランを企画するだけではなく、設営まで一貫して手がけられるところが弊社のインテリアデザイナー、VMDの仕事の魅力ですね」
三好さんは、イケア鶴浜(大阪)のオープン時(2008年)にVMDとして入社。その後、5年間のヴィジュアルマーチャンダイズマネジャー(VMDマネジャー)を経て、2年前の2015年に、IKEA新三郷のコミュニケーション&インテリアデザインマネジャーという形で移動してきました。「社内公募制で、ポジションがあけば誰にでも応募のチャンスがあります。どのような働き方をしていきたいかという個人の希望に対して、会社は寛大です」と三好さん。
現在、コミュニケーション&インテリアデザイン部のメンバーは20名ほど。インテリアデザイナー、ヴィジュアルマーチャンダイザー(VMD)、グラフィックデザイナーに加え、壁の設営や工作などを専門とするカーペンター(大工)というポジションも。得意分野を活かしながら、従業員同士がさまざまな関わり合いの中でともに働ける環境もまた、イケアならではだと感じます。
働き方の「多様性」を推進することが企業にとって欠かせなくなってきている現在、ダイバーシティを推進するイケアでは、国籍や性別を問わず、さまざまなライフスタイルをもつ人々が活躍しています。イケアでは、従業員のことを「コワーカー(ともに働く人)」と呼びます。このような細部にも、働く人を大切にするイケアの企業姿勢が垣間見えます。
お仕事中のコワーカーの方に、「イケアで働くこと」や「イケアの魅力」についてお話をうかがってみました!
佐藤史絵さんは、学生時代にフード部門のアルバイトでイケアに入り、その後デザインの勉強を経てイケアにインテリアデザイナーとして入社。結婚を機に一度は退職するも、「私にはやっぱりイケアが合っている!」ということで再びインテリアデザイナーに応募し現在に至ります。
「色々な境遇・経歴のコワーカーがいるところも含めてイケアのおもしろさだと思います。ダイバーシティを大切にする会社だからこその懐の深さが、私にはとても合っていると感じます」と佐藤さん。
日本に興味があることから、社内公募制を利用して今年の7月、スイスのストアからIKEA新三郷に異動してきたオーストリア出身のアンドレア・ヴェリコグネさんは、イケアの魅力をこう話します。
「イケアにはコワーカー同士が言いたいことを言いあえるフラットな環境があります。自分の成長を会社がサポートしてくれることも大きな魅力。VMDとして働くことのおもしろさは、店内すべてのデザインやディスプレイに関わることで、責任感をもって働けることです」
明るく開放的なオフィスエリアも見せていただきました。パーテーションで区切られることなく、経営部門や販売部門、デザイン部門が同居し、円滑なコミュニケーションが図れるつくりになっています。
「デザイン部門に限らずキャラの強いコワーカーが多く、その人独自の考え方が聞けるので話していて楽しい」と話すのは、大学で建築を学び、新卒で入社した川﨑翔(つばさ)さん。
「イケアはキャリアプランが無限にあります。いま目の前のことに夢中になって働いていても、その先に違う方向性を見出したとしたら正直にマネジャーに話せる環境は、イケアならではだと思います」
「次に転職するならイケアと決めていた」という中崎朋子さんは、育児が落ち着いたタイミングで3か月前に転職入社を果たしました。
コワーカー同士が価値観やライフスタイルを認め合い、ライフステージが変わっても活躍し続けられる職場環境は、まさにイケアの強みと言えそうです。
続いて、コミュニケーション&インテリアデザイン部でマネジャーを務める三好さんにも、イケアで働くことについて聞いてみました。
「コワーカーも話していましたが、国籍、年齢、性別に関係なく成長していけるのはイケアの大きな魅力です。マネジャーや部署、ストア異動など、新しいことにどんどんチャレンジできる土壌があることは素晴らしいと思っています。また、イケアの方針として、“仕事は決められた時間内でしっかり成果をあげる”という外資系的な側面もありますが、その分休む時はしっかり休むというメリハリがつけられる環境も魅力だと思っています。スウェーデンの会社ということもあり、産前産後休暇、育児休暇、看護休暇、介護休暇など各種制度も整っており、とりやすい環境にあります。珍しいところでは、ボランティア休暇、男性の育児休暇などもあります。
私たちはデザインをする部署ですが、いまのトレンドが何かというのは仕事の中だけではわかりません。仕事とプライベートをしっかり区別して、プライベートを自分の趣味やインプットの時間に使うことができれば、それが今後仕事にも活きてくると思うのです」
仕事で成果を出すために、仕事以外での充実度を高める。イケアでは、コワーカーの有給休暇消化100%を目指しているそうです。
世界レベルで右肩上がりの成長を続けるイケアは、現在は郊外の大型店がメインですが、小型店の出店も計画中です。「今年からはじまったオンラインショッピングに加え、新たなフォーマットの店舗の展開も今後は視野に入れつつ、“体験型”という大型店ならではの役割を私たちが担っていければ」と三好さん。
最後に、イケアにはどんな人が向いているかを三好さんにうかがいました。
「インテリアやトレンドに興味があって、仕事もプライベートも充実させていきたい方にはとても楽しめる職場だと思います。オープンな雰囲気なので、自分の意見やクリエイティビティもどんどん発信できる環境です。グローバルな環境で働きたい方にも向いていると思いますよ。英語力は必須ではありませんが、あればなおよしです(笑)」
いかがでしたか? ライフスタイルに合わせて働き方を選べる、クリエイティビティを活かしながらやりたいことにチャレンジできるといった職場環境であるのはもちろん、それを会社としてしっかりバックアップする体制が整っているところに、イケアという会社の懐の深さを感じました。そして、コワーカーの皆さんから自然にあふれ出る笑顔がとても印象的的でした!
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