公開日:2023/03/22
近年AI、VRなどが登場し、デジタル技術はますます進化を遂げています。10年後には一体どのような世界が待ち受けているのでしょうか。
こうしたスピーディな時代変化に対して軽やかに応えるWebデザイナーを輩出するのが、デジタルハリウッドSTUDIOです。創業時から「デジタルでつながる世界をもっと楽しく!自分らしくまなぶ、はたらく。未来の生活を考える」をビジョンに掲げ、2023年で創立28周年。これまでに約9万人の卒業生を社会に送り出してきました。
そんなデジタルハリウッドSTUDIOで、受講生の就職を支えるキャリアセンターの座間味涼子マネージャーに、Webデザイナーの転職活動の秘訣についてお聞きしました。
コロナ禍によって人々の在宅需要が高まり、ECサイトや各種Webサイトなどが活発に使用されるようになりました。そのため各社とも、より利便性の良いシステム構築の強化をしています。システムの構築ももちろんですが、各社ともサイトのデザイン作りにも力を入れ始めていると感じますね。
このような流れと連動して、Webサイト構築やWebデザインに関する求人が以前から増え続けています。
業界を問わず、さまざまな企業においてWebデザイナーの引き合いは増えていると思います。これまでは比較的、大企業からの求人が多かったのですが、昨今は中小企業からの求人も増えてきている印象があります。
これまで中小企業は、自社でWebデザインを構築せず、外部に委託していた企業が多かったのです。ところが昨今は、中小企業もインハウスでWebをデザインできるようにしようと、人材の強化を始めていますね。
また、これまではWebデザイナーをあまり採用してなかった業界でも人材確保を始める動きがみられ、このような変化に私たち就職支援者もとても驚いています。
たとえば金融業界では、ホームページやインターネットバンキングなどのWebサイト全体の設計やデザインについては、大手制作会社やデザイン会社に外注していた印象でした。求人募集がある場合でも、インターネットバンキングのUI/UXデザイン設計の部分など、一部の業務にとどまっているものが多かったです。
しかし現在は、Webデザイナーを含め、Webに関する業務全体について採用活動を進める動きがみられます。Webサイト全体の構築やディレクション部分まで、自社で一元管理できるようにしたいという思いがあるのでしょう。
また、アパレル企業では、ECサイトをより強化したいためか、求人を増やしているようです。他社に外注するのではなくインハウスでWebサイトの課題点を解決し、改善のスピードアップを図りたいのではないでしょうか。
Webデザイナーが最低限持っておくべきスキルは、やはりWebデザインスキルです。現在のトレンドや、最先端のデザインへの感度も必要とされます。自分がどんなスキルを持っているのかは、応募先に提出するポートフォリオによって判断されます。このポートフォリオがまず第一関門といえるため、後ほどポートフォリオ作りのコツをお伝えします。
それに加えて、多くの企業では、ビジネス感覚を持っている人材が求められていると感じます。Webサイトの多くは、その会社が提供する商品やサービス、ビジネスに関するものです。よってビジネスマインドを持ち合わせていると、それがWebデザインに活かされるだけでなく、Webサイト制作の工程もより効率的に進められるでしょう。
デジタルハリウッドSTUDIOでは、模擬プレゼンテーションや擬似ビジネスの授業を実施しており、受講生全員が卒業前にビジネス感覚を養っています。その点は就職・転職活動でも存分にアピールしてもらっています。
また前職でビジネス経験がある人は、それまでの経験も大いに活かすことができます。Webデザインのスキルだけではなく、ご自身が経験してきた職務経験をフックにして、やりたいことやできることの範囲を広げていくことも大切です。
さらにいうなら、企業のデザイナー職としては、独自性が強すぎないことも重要かもしれません。また相手のニーズをきちんと汲み取る能力も求められる資質のひとつで、そのために表現や手法の幅の広さが問われます。
Webデザイナーの業務範囲は非常に広く、その求人によってさまざまです。UI/UXデザイナーとして求められる場合もあれば、イラスト制作やWebデザインだけを担当する場合、さらにはWebサイトのコーディングまで含めて全体を構築する立場を期待される場合もあります。
このように企業が重視する点はとても幅が広いので、使用可能なソフトやシステムといった細かなスキルが採用の要件として指定されることもあれば、サイト設計ができることを要件としてくることもあります。また、前職の経験を活かすことを重視する企業も、逆に「未経験者も可能」として、スキルよりも人柄を重視する企業もあるのです。
「自分ができること、やりたいこと」をしっかり見つめて、いかに互いの意向が合う企業と巡り会えるかが大事です。そのために私たちはキャリアセンターで相談に乗り、思考整理のお手伝いをしています。
ポートフォリオに関する悩みが非常に多いですね。例えば「自分は見せることができる作品数が多くない」「ポートフォリオに何を掲載すればいいのかわからない」「自分なんかがこんな作品を掲載してもいいのか」などという声を聞きます。特に、初めて就職活動に挑む人は、こうした心理的な面での悩みが多いようです。
一方、技術や経験のある就職志望者だと「作品の見せ方はどうするべきか」など、技術や自身のアピール点について悩む人が多いですね。私たちは「応募したい企業が求めている要件を伝える」という点にフォーカスして、アドバイスや指導をしています。
まずは、応募する企業や求人をしっかりと見極めることです。先述の通り「Webデザイナー」と求人に一言書かれていても、求められる業務範囲は企業によって異なります。求人票に記載されているだけの内容で推し量れないこともありますが、具体的な業務内容やその企業から求められることを、なるべく深く探ることが大切です。
次に転職者であれば、前職の経験を上手に活かすことです。デジタルハリウッドSTUDIOの受講生には、「Webデザイナーとは全く違う業界にいたから、前職の経験はアピールポイントとして使えないだろう」と思い込んでいる方が意外と多いのです。そのため、職務経歴書にこれまでのキャリアについて深く記載しない方もいます。
しかし、どんな情報が企業とマッチングするかは予測できないものです。きちんと前職の職務内容や経験の棚卸しをして、職務経歴書でしっかりとアピールしてほしいと思います。これまでのキャリアが思わぬ形で役に立つかもしれません。
デジタルハリウッドSTUDIOの卒業生は、そのほとんどがWebデザイナー未経験者です。年齢層としては、20代後半~30代の方が中心に集まっています。
そのうち印象的だった30代の卒業生の事例についてお話しします。彼は長年営業担当者として働いていましたが、Webデザイナーへ転身しようとデジタルハリウッドSTUDIOに通学し、就職活動を行いました。面接の中で、前職で営業をしていたことを話したところ、営業によって培ったコミュニケーション能力などを活かしたポジションとして、Webディレクターとしての就職が決まりました。前職を活かした採用事例として、とても印象に残っています。
また、元々グラフィックデザインをやっていた実績を活かして、Webデザイナーに転職した方もおり、やはりどんなスキルでも活かせると実感しています。グラフィックデザインを学んでいる方は総じて作品の美しさが特出しており、コーディングやUIなどWeb特有の技術を学ぶことでWebデザイナーへの転職に成功する方が多いです。
未経験からWebデザイナーを志望する方は数多くいますので、ポートフォリオのために作品づくりに取り組む、企業研究を進めて自分に合った企業や求人を見つけるなど、悩むよりも行動することが何よりも大切だと思います。
多くの企業でWeb人材が足りていないので、高いニーズがあります。Webデザインのスキルを磨きながら、ビジネスマインドやこれまでの経験など、他のスキルセットも併せてアピールしてはいかがでしょうか。
Webデザインという今求められる基盤を作り上げることで、自身のできること・やりたいことは広がりを見せると思います。ぜひWebデザインのスキルを鍛えながら自身の強みも明確化して、就職・転職を成功させましょう。