アッシュ・ペー・フランス株式会社
構成・文:石田織座(JDN) 撮影:木澤淳一郎

公開日:2016/07/04

働き方インタビュー

プロジェクトのもうひとつの軸になりたい

アッシュ・ペー・フランス株式会社

金祥艾 場と間事業部

H.P.DECOやLamp harajuku、ライチなど、ファッションやジュエリー、インテリア、雑貨など全国に約80店舗を展開するアッシュ・ペー・フランス株式会社。小売業に限らず、合同展示会「rooms」や「BATOMA(場と間)」を主催するなど、事業はさまざまだ。入社してもうすぐ4年になるという金祥艾(きむさんえ)さんは、PR01.本部というPRの部署に所属している。PRとひとくちに言っても多岐にわたるその仕事内容や、仕事についての想いなどを伺った。
Q. 金さんのお仕事について教えてください

国内外のファッションブランドのプロモーションやブランディング、メディアプランニングをサポートする事業部(PR01.)があり、その中の「BATOMA(場と間)」というインテリアの合同展示会を企画・運営するチームで動いています。

場と間 vol.09 会場の風景

場と間 vol.09 会場の風景(Photo:Ikunori Yamamoto)

場と間 vol.09 会場の風景

場と間 vol.09 会場の風景

Q. 展示会の企画・運営とは具体的に何をしますか?

BATOMAの発起人でもあるディレクターの馬場雅人と一緒にコンセプトを決めたり、より多くの方に足を運んでもらうためにイベントを企画したり、展示会場のディレクション、出展者の対応、広報などを行っています。合同展示会はビジネスの場ですが、BATOMAで特にこだわっているのは見せ方や統一感。来た方に空間自体も楽しんでもらいたいと思っています。出展者の中で「ブースをどういう風にディスプレイしたら良いか分からない」という方に対しては、商品がより良く見えるように一緒にブースディレクションを行ったりもします。

スタッフの人数が少ないこともあり、営業、運営、PRなどを兼任しています。けっこう“何でも屋さん”みたいな感覚があるかもしれません(笑)。

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もっといろいろな媒体や人と関わって、広く伝えていきたい


Q. いまのお仕事をする前はどんなお仕事をしていましたか?

前職はアパレル会社「ISSEY MIYAKE」に勤めていました。総合職で入社してはじめは販売、そのあとブランド営業を3年半ぐらい務めていましたが、PRの部署に異動し、プレスの仕事をするようになったんです。物づくりをしている人たちの近くにいることがすごく好きなので、デザイナーさんやディレクターさんと「来シーズンはこういう雰囲気で、フライヤーはこういうイメージにしよう」など、イメージをすり合わせていくことが好きでした。右も左も分からず、プレスってなんだろうというところから始まりましたが、この部署には3年半くらいいましたね。

Q. アッシュ・ペー・フランスに入社しようと思った決め手

前職でプレスという仕事をやっていくうちに、もっと幅広いことがやりたいなと思って。その時は社内の担当ブランドだけをPRする感じでしたが、もっといろいろな媒体や人と関わって、広く伝えていけたらいいなと思い、H.P.FRANCEのPR01.に入社しました。

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Q. アッシュ・ペー・フランスの社風を教えてください

H.P.FRANCEは個を大事にするというか、自由で枠にとらわれない会社だと思います。いま従業員が600名くらいで、このくらいの規模だと硬い部分も出てくると思うんですが、良くも悪くもそういった枠がないんです。自分がやりたいと思ったことは自分で表現すれば通るというか。勤務年数は関係なく、やる気があってやりたいことに可能性があれば、いろいろ実現できる会社です。

Q. 最近携わったプロジェクト

毎年5月に開催している、クリスマスをテーマにした合同展示会「BATOMA CHRISTMAS」が一番最近です。その時々によって新しいことに挑戦しているのですが、今回はこの展示会のために作った什器や装飾を商品化しようというプロジェクトも進めています。

BATOMA CHRISTMAS 会場風景

BATOMA CHRISTMAS 会場風景(Photo:Ikunori Yamamoto)

商品化プロジェクトブース

商品化プロジェクトブース

BATOMAは卸営業をしてもらうための合同展示会ですが、BATOMA自身も卸をすることで、バイヤーさんとの繋がりも強くなっていくだろうと考えています。出展メーカーやクリエイター、協賛メーカーとモノづくりを行うことで、すべての繋がりをもっと強くすることができるかなと思います。

Q. 今までで印象に残っているプロジェクト

2013年、2014年に開催した「BATOMA information」という、合同展示会とデザインイベントを掛け合わせたような企画です。建築家や映画監督、料理人、アーティストなどさまざまな職種の方のトークイベントを行ったり、ISSEY MIYAKEの「FLYING BODIES」という映画を上映したりしました。ほかにも、海外のクリエイターと一緒に日本生産のものづくりを行ったり、佐賀県の嬉野市のPR企画を行ったことも記憶に新しいですね。

トークイベントの様子

トークイベントの様子

FLYING BODIES 上映風景

FLYING BODIES 上映風景

公私の私の部分からつながる仕事


Q. 新しいプロジェクトが始まるきっかけ

たとえば嬉野市のプロジェクトについては、ディレクターの馬場が長崎の波佐見焼振興会の仕事をしばらくしていたんですが、宿泊する際に嬉野市の旅館に泊まっていたんです。何十回も利用するうちに地域の方々とも仲良くなり、そこから仕事につながりました。馬場は、居酒屋で知り合って意気投合し、一緒に仕事しようという流れになることがあります。私も飲むのは好きですが、まだそこまでの領域には…(笑)。公私の私の部分からつながるというのはおもしろいですよね。

Q. 仕事をしていて「楽しい」と思える瞬間

色々な方と関われるのが一番かなって思います。プレスやイベント企画っていう職業柄もそうですし、BATOMAのあり方もそうですし、色々な方とお話をする機会が多くて、どんどん個人的にも親しくなっていくのが楽しいです。馬場主催ですが、仕事で知り合った方々をお誘いして浅草でお花見会をしたり、花屋敷を貸しきって納涼祭をやる予定もあります。プライベートと仕事の境界線がどんどん曖昧になっていく感じが気持ちいいです。今年で社会人10年目になりますが、最初の頃は頭が硬くて、仕事はこうあるべきだとか考えるタイプでした。でも今はいい具合に肩の力が抜けて、仕事がすごく楽しいです。

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Q. 反面、大変な面や難しいと感じるところ

プレスだけやっていた時とは違い、やることの範囲が広がってきているところですかね。イベントの企画進行やビジネスとしてどう成り立たせるか、進行する上での周りの方との関係性など、プレッシャーは大きくなってきているなと感じます。

Q. 金さんのお仕事をほかの言葉で表すと?

う~ん、難しいですね…。「BATOMA盛り上げ隊」が一番近いような気がします(笑)。BATOMAをもっと広げていくために、チームの中で自分がもうひとつの軸になっていければと思います。

BATOMAという文字が大きくあしらわれた、シンプルながらもセンスあふれる名刺

BATOMAという文字が大きくあしらわれた、シンプルながらもセンスあふれる名刺

PROFILE
アッシュ・ペー・フランス株式会社
1984年の創業以来、「創造的であるということ」「グローバルであるということ」「人が生きるということ」という、3つの企業理念のもと、小売業を中心に様々なビジネスを東京-パリ―ニューヨークの3拠点を軸に展開・拡大させてきました。

http://www.batoma.com/

金祥艾 場と間事業部

1983年東京都出身。株式会社イッセイミヤケにて販売、営業、プレスを経験した後、アタッシュ・ドゥ・プレスとしてアッシュ・ペー・フランス株式会社PR01.に入社。2013年より、インテリアの合同展示会を主催する場と間事業部に在籍し、PRを中心に企画、営業、運営、生産などを行っている。