株式会社アマナデザイン
INTERVIEW
取材・文:石田織座(JDN) 撮影:清水北斗(parade)
公開日:2016/12/02

何を解決したいのか、何を達成したいのかという本質を必ず探る

株式会社アマナデザイン

松葉忍 UXC事業部 コンテンツプランナー

ビジュアルコミュニケーションのエキスパート集団「アマナグループ」の表現力と技術力を最大限に活かし、企業デザインや商品・サービス開発、広告、プロモーションなど、多様なニーズに応える株式会社アマナデザイン。その中でも、デジタルクリエイティブに特化した、UXC事業部の松葉忍さんは、コンテンツプランナーとしてさまざまなWeb制作におけるプランニング、ディレクションを担当している。この会社に入る前はファッションデザイナーやWeb制作会社でSEをやっていたという異色の経歴を持ち、現在はVR(バーチャルリアリティ)を使った新しい表現や体験をつくる松葉さんにお話をうかがった。
Q.あなたのお仕事について教えてください

入社して6年になりますが、現在はUXC事業部という、デジタルとクリエイティブを専門に行う部署で、コンテンツプランナー兼ゼネラルマネージャーをつとめています。

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案件へのかかわり方はさまざまですが、課題をどう解決していいかわからないお客さまに対しては、解決方法をプランニングするところからスタートします。そこから実際に表現や仕組みという部分に落とし込み、制作するところまでやっています。

コンテンツをつくり出す環境は、すべて揃っていた


VRという言葉はここ数年くらいで広く浸透してきたと思うんですが、仕事として割合が増えてきたのはここ1年くらい。会社としてもVRチームが発足したのが、ちょうど1年半ほど前です。それまでは360°の静止画や映像を使ったコンテンツの仕事はありましたが、VR専門チームを立ち上げVRにアマナの制作力をかけ合わせた企画を入れた上で、360°の映像や静止画を使ったコンテンツをお客さまに提案していこうという流れになりました。

アマナにはフォトグラファーがいて、CGデザイナーがいて、僕みたいなプランナーがいて、プロデューサーがいて、ディレクターやエンジニアもいるので、制作できる環境はすべて揃っていました。そこに「じゃ、やるぞ!」っていうきっかけが必要なだけだったっていうところですね。

Q.いまにつながる印象的なプロジェクト

某スポーツウェアブランドのブランドリニューアルをコンペの状態から企画提案、受注してつくるまでを制作しました。今まではWebの中で完結してきたんですけど、フォトグラファーがタレントを撮影する現場に、映像監督やアートディレクターと一緒になって入るという、クリエイティブの場面にはじめて撮影から立ち会った案件なので印象に残っていますね。与えられた素材を使ってWebを組み立てるということよりも、ビジュアルの部分に対しても、自分の企画を反映し、現場でディレクションするようになっていきました。

ほかに今年の秋にお披露目したもので、ファッションブランド「TARA JARMON」の2016A/Wキャンペーンのコンテンツをつくりました。ポップアップストアのコンセプトを体験させるためにVRを使いたいというご要望に、企画からご相談をいただきました。

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「TARA JARMON」ポップアップストア・外観

毎年開催されているファッションイベント「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT」に合わせて、原宿のキャットストリート沿いにある、BANK GALLERYで8日間ポップアップストアを開きました。3フロアのうち1番下のフロアをコンセプトを丸ごと体験できるギャラリーにし、VRブースもそこに設置し、来場者に「TARA JARMON」の2016A/Wのテーマである「ECLIPSE-月食-」の世界観を体感してもらいました。

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VRコンテンツを体験している様子

クリエイティブな仕事をもっとしたかった


Q.アマナデザインに入社したきっかけ

アマナデザインに入社する前の職種は、アパレル会社でファッションデザイナーをやっていました。具体的なスキルでいうと、そこでPhotoshopやIllustratorを身につけたんですけど、小さな会社だったので営業も自分でやっていました。デザインしたものを自分でお客さまに提案しにいくことをしたり、海外の工場に直接自分で発注して、納品されるまでの制作進行を全部一人でやってたんですね。その時の経験は、ディレクターとかプランナーの立場となった今、お客さまと話をするときにすごく活きているというか。企画の伝え方や、お客さまがこう思っているんだろうなって相手の立場を理解し、想像できるというのはそこで身につけた気がします。

その後、Webのシステム制作を行う会社で、エンジニア業務とディレクション業務をやっていましたが、もっとクリエイティブの仕事をしたいなと思い、アマナに応募しました。

じつはアマナに入る前、写真やビジュアルにものすごく強いってイメージは持ってませんでした。入ってから設備や環境に「わぁ、すごい!」と思ったんですよね(笑)。

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Q.アマナの社風を教えてください

やりたいという強い想いがあれば挑戦させてくれる環境なので、そこはすごくいいところだなと思っています。もちろん責任はついてくるんですけど、やる気がある人にとってはすごくいいんじゃないかな。あと、あまり比べることではないかもしれないですけど、たとえばWeb制作会社がいくつかあったとして、そこにアマナが横並びしたとき、Webディレクターが写真のことについて詳しく、撮影についてもディレクションできるという部分は他の制作会社にはない強みだと思います。

Q.仕事をする中でのおもしろさと、壁

いま、VRなど、先端技術を使って新しい表現にチャレンジできているのが個人的にはおもしろいです。自分の手がけたクリエイティブが世に出て行くのも、すごくやりがいがありますね。もともとテクノロジーや新しい技術には興味を持っていたし、クリエイティブの仕事も好きだったので、その両方が重なったところがVRなのかなって思っていました。

おもしろさの反面、VRコンテンツをつくってみると毎回毎回いろいろなことが違うんですよね。機材やセット、シチュエーションによって、その度に新しい壁が出てくるんです。壁が出てきたときはすごく大変です。だけど、逆を言うと誰もやってないクリエイティブへの挑戦だったりするので、それを1個1個クリアしていくと、やりがいも達成感もある。そこで得た経験は強みになります。

クライアントがなぜつくりたいのか、ひとつ遡って聞く


Q.会社におけるミッション

UXC事業部としてはWebやデジタルの知識、考える力や制作進行力。これらを持ってクライアントの課題を解決する企画を考えて、制作物に落とし込んでつくり、課題を解決していくというところがミッションですね。

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課題を解決していく中で、基本的には、クライアントの要望をそのまま実行するだけに終始しないようにしています。例えば「360°映像のVRコンテンツつくってください」というリクエストがあったときに、「わかりました。360°映像VRコンテンツつくります!」じゃなくて、なぜVRでやりたいのか、本当に360°映像が良いのか?など、ひとつ遡って裏にある課題や達成したいゴール、目標をきちんと聞くようにしています。その課題をちゃんと解決できるのか、できないのであればこういう解決方法がありますよ、とか。お客さまが何を解決したいのか、何を達成したいのかという本質を必ず探るようにしています。

Q.今後手がけてみたいこと、突き詰めたいこと

突き詰めたいのはテクノロジーへの理解や知識。テクニカルの部分をクリエイティブに反映させながら、企画提案して、制作に持ち込んでいける人ってまだあんまりいない。そこは自分自身の経験から得られた競争力だと思っていて、テクノロジーの分野は自分の好きな部分でもあるので、引き続きやっていきたいと思っています。もっともっと新しい表現や体験をつくっていける環境にあると思うので、幅を広げていきたいなと思っています。

Q.あなたのお仕事をほかの言葉でたとえると?

う~ん、難しいですね…。しいて言えば、「デジタルクリエイティブ職人」(笑)。適当にやっていてなんとなく動くものではないので、ある種、職人的な厳しさがないと成立しない部分があると思っています。

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松葉さんの名刺の裏面。ビジュアルで魅せるアマナらしい名刺だ

PROFILE
株式会社アマナデザイン
アマナグループの表現力と技術力を最大限に活かした、プランニングとデザインを提供する。企業デザイン、商品やサービス開発、広告、プロモーションなど、多様なニーズに対応し、ビジュアルを魅力的に活用ながら表現豊かで効果的なコミュニケーションを提案している。 http://amana.jp/company/groupcompanies/amanadesign.html

松葉忍 UXC事業部 コンテンツプランナー

2011年アマナインタラクティブに入社。Webディレクターとしてさまざまなweb制作におけるプランニング、ディレクションを担当。2015年よりVRチームにも参画。Webに限らずデジタルにおけるプランニングをブランディング、マーケティング視点で行っている。ファッションデザイナーとSEの経験を持っており、アートディレクション、テクニカルディレクションもこなす。